「できない」の証明が、新しい数学を生んだ!──ケーニヒスベルクの橋と一筆書きの謎

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オイラーケーニヒスベルクの橋の問題

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こんにちは。
算楽塾講師の平間です。

皆さんは、「一筆書き(ひとふでがき)」で遊んだことはありますか?

「これはできるかな?」
「こっちはどうだろう?」

夢中で鉛筆を動かす時間は、まさにパズルのような楽しさがあります。

今回のオンライン授業では、
18世紀に実在したパズル「ケーニヒスベルクの橋」を題材に、
一筆書きに隠された驚きのルールをみんなで探究しました。

■ 授業テーマの説明

▼ 18世紀の未解決パズル

舞台は18世紀、東プロイセンのケーニヒスベルク(現在のロシア)という町です。

そこには川が流れ、2つの島と岸を繋ぐ「7つの橋」がかかっていました。
当時の人々は、「同じ橋を二度渡らずに、すべての橋を渡って元の場所に戻れるか?」
というパズルに挑みましたが、誰も答えを見つけられませんでした。

ある橋を渡ると、別の橋がどうしても重複してしまう。

「あともう少しのはずなのに……」

そう思いながら、また最初からやり直す。
この繰り返しが、街中で何年も続いていました。

▼ 数学の巨人、レオンハルト・オイラー

この難問に終止符を打ったのが、
算楽塾でもおなじみの「数学の巨人」レオンハルト・オイラー(1707〜1783)です。

オイラーは1707年、スイスのバーゼルで生まれました。
膨大な研究論文を遺した天才でありながら、13人の子どもに恵まれ、晩年の家族は30人以上。

「膝には子ども、肩には猫、書いているのは不朽の数学の名著」
と言われるほど温和で人々に愛された人物でした。

晩年には盲目となりながらも、呼吸するのと同じくらい自然に計算をし続けたと言われています。

1783年、友人たちと天王星の軌道計算について話しながら夕食を食べた後、孫と遊んでいるときに突然倒れ、76歳でその生涯を終えました。

追悼文にはこう記されています。

「オイラーは生きることと、計算することをやめた。」

そんなオイラーが、このパズルを解くためにある「驚きの工夫」を思いつきます。

(算楽塾ラボ所長 島上直人先生の「数学者への道」No.48より)

■ 授業で扱う内容

▼ 「本質」だけを取り出すモデリング

授業では、まず複雑な地図を簡略化する体験をしました。

オイラーは地図をじっくり眺めるのではなく、こう考えました。

陸地を「点」、橋を「線」として描き直す。
「長さ」や「角度」を無視して、つながりの関係だけを取り出す——

この考え方を「グラフ理論」、さらに発展させると「トポロジー(位相幾何学)」と呼びます。
複雑な地図が、シンプルな「点と線の図」へと変わる瞬間。
「複雑な問題も、視点を変えれば一つのシンプルな構造に集約できる」
という数学の醍醐味を体験しました。

陸地を点と線のシンプルな図に描きかえることで、ひらめきが生まれます

▼ 奇数か、偶数か

次に、各点から出ている線の数を数えてもらいました。

偶点:線が偶数本出ている点。入ってきたら必ず出ていける「通過点」になります。
奇点:線が奇数本出ている点。ここから始まるか、ここで終わるかのどちらかになります。

オイラーが発見した一筆書きのルールは、驚くほどシンプルでした。

・すべての点が「偶点」なら、どこから始めても一筆書きでき、元の場所に戻れる。
・「奇点」が2つだけなら、その一方を出発点、もう一方を終着点にすれば一筆書きできる。
・「奇点」が4つ以上あると、一筆書きは絶対に不可能!

ケーニヒスベルクの橋を確認してみると、
陸地を表す4つの点がすべて奇点(3本または5本の橋)でした。

つまり、「絶対にできない」ということが数学的に証明されたのです。
この法則を、子どもたち自身の手で導き出しました。

▼ 試行錯誤のプロセスが大切

授業では、最初からルールを教えるのではありません。

「ここを通ればいけるかも!」
「あ、また同じ橋に来ちゃった……」

まずは思いっきり試行錯誤を楽しんでもらいます。
算楽塾のスタンスは「わからなくていい。それが、考える力の始まりだ」です。
失敗を恐れずに何度も挑戦することで、脳に深い実感が刻まれます。

オンライン授業では、カメラ越しに「あと一歩なのに通れない!」という
リアルな実感をみんなで共有し、大いに盛り上がりました。

ケーニヒスベルクの橋の図に次数を書き、奇点の数から一筆書きができないことを発見した

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■ 算楽塾としての授業のねらい

▼ 「できない」を証明する美しさ

算数・数学は、単に計算の答えを出すだけのものではありません。
「なぜ不可能なのか」を論理的に説明することも、立派な数学の役割です。

「なんとなくできなさそう」を、「ルールがあるから絶対にできない」という確信に変える。
この思考の飛躍に、子どもたちは深い納得感を感じていました。

答えが「できない」であっても、それを証明することで新しい数学が生まれる。
オイラーの発見はまさにそういう瞬間でした。

▼ 知識の「つながり」を体験する

オイラーが見つけたこの法則は、一見ただのパズルの解決に見えますが、
現代のインターネットのネットワーク設計や、物流のルート最適化など、
私たちの生活を支える高度な技術へと繋がっています。

自分の手で描いた一本の線が、グラフ理論という新しい数学の扉を開き、
やがてトポロジーへと発展し、宇宙の構造を読み解く手がかりになる。

そのワクワク感を、これからも子どもたちと一緒に大切にしていきたいと考えています。

「わからなくていい。それが、考える力の始まりだ。」


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